【ICAOで働く日本人職員のご紹介】 小谷由実 航空運送局 航空セキュリティオフィサー(アシスタンスプロジェクトマネージメント担当)
令和元年7月30日
現在ICAO事務局では8名の日本人職員が活躍しています。今回は航空運送局のセキュリティオフィサー(アシスタンスプロジェクトマネージメント担当)として,ICAO加盟国の保安監視システムの監査や教育・訓練活動を通じて,皆さんが安心して航空機での移動ができるよう,空港や機内の保安体制を維持・強化する重責を担う小谷由実(おだに・ゆみ)さんに,お仕事の内容やICAOで働くことになったきっかけを伺いました。
小谷さんが取り組まれている航空セキュリティー分野のお仕事について教えて下さい。

航空セキュリティーはICAO戦略目標の1つです。わかりやすい一例を挙げますと、ハイジャック・テロ防止対策を主目的として実施されている空港警備並びに、空港における受託荷物検査や手荷物検査を、乗客として経験された方も多いと思いますが、これらの航空セキュリティーに関するシカゴ条約第17附属書(国際標準)やガイダンスマテリアルを策定し、締約国における航空行政の管理監督体制や実際の航空セキュリティ対策実施状況に対するICAO国際航空セキュリティー監査を行い、締約国に対し国際標準遵守に向けた技術協力支援(キャパシティビルディング)を行っています。
ICAOで働くことになったきっかけとICAOでの経験を教えて下さい。

2005年1月から2007年7月国土交通省航空局ハイジャック・テロ防止対策室在席中に、航空局より推薦を受け、ICAO国際航空セキュリティーインストラクター認証とICAO国際航空セキュリティー監査官認証を取得しました。特に、二次インタビュー試験では、航空局現場や安全監察業務(航空セキュリティー分野)の経験が大変役立ちました。ICAO監査官として、またICAO監査を受ける航空当局側の両方を経験することで、不安定化する世界情勢の中、国連専門機関による義務的監査の意義とその重要性を再認識しました。国際的な知見や経験を増やし、ICAOにおける国際航空セキュリティー監査・技術協力支援へより一層携わりたいと決意。2012年からICAO事務局職員となりました。
本部での業務のほかに,各国への出張も頻繁にあるようですね。

本部では支援事業予算配分立案、支援計画作成とドナー連携も担当しています。出張と言うと、報道される国際会議の光景を想像されるかと思いますが、私はアフリカやカリブ海西インド諸島などの航空当局、空港、訓練センター等、遥か遠いフィールド(現場)で監査ミッション、締約国支援ニーズアセスメントや技術協力支援ミッションに従事しています。必ずしも治安と衛生が良くない状況においても、ICAOフィールド業務が地道に遂行されていることを紹介でき大変嬉しく思います。
お仕事のやりがいやご苦労,心掛けている点などについて教えて下さい。

基本的過ぎると言われるかもしれませんが、正しいメッセージを正しく伝えることです。監査やトレーニング実施中、国際標準の解釈自体が微妙に異なることがあります。解釈自体に差異があるわけですから、実施体制も国際標準ベースラインから差異が生じて当然です。国連公用6カ国語を公用語としない締約国での技術協力支援では、わかりやすい言葉で、ドナー、支援実施者、支援享受者がプロジェクトの目的、プロセスと成果を正しく共有できるようコミュニケーションと連携を強めています。
ICAOや国際機関で働くことを目指す人へのアドバイスをお願いします!
コミュニケーション力と体力に自信があり、豊富な現場勤務経験と向学心溢れる方には、是非、監査や技術協力支援等、ICAO地域事務所を含めたフィールド業務をお薦めします。ICAOでは、職員採用時、分担金比率や人口等を基礎として衡平な地理的配分の原則(職員をなるべく広い地理的基礎に基づいて採用することの重要性)とジェンダーバランス是正(女性の起用)に取り組んでいます。ICAOで働く女性たちのサイトもご参照ください。
誰にでも何事にも、最初の第一歩があり、完璧な第一歩を踏み出すことは大変難しいことです。リスクを恐れず、自分の力を出し惜しみすることなく、建設的なフィードバックを真摯に取り入れ内省することで、変化し続ける環境の中、少しづつでもパフォーマンスとプロジェクトの成果を向上させられると信じています。私も追従する前例がなく、随分不安な時もありましたが、不安を口に出さずに頑張ることに君の価値がある、応援しているからもっと頑張れと激励して頂きました。自らの失敗にめげることなく多くを学び、より一層逞しい姿勢で、新たな高みへの価値あるチャレンジを応援します。
※ 小谷由実(おだに・ゆみ)
航空運送局 航空セキュリティーオフィサー(アシスタンスプロジェクトマネージメント担当)
(Aviation Security Officer – Assistance Project Management, Implementation Support and Development – Security Section, Aviation Security and Facilitation, Air Transport Bureau, ICAO HQ Montreal)
京都府京都市出身。航空保安大学校航空管制情報科を卒業後、国土交通省航空局にて航空管制通信官、航空管制運航情報官を経て、航空局ハイジャック・テロ防止対策室(現航空保安対策室)勤務。2007年から約5年間のICAO派遣後、2012年にICAOに正規職員として本採用。
マギル大学語学技能証明取得(英語プロフェッショナルコミュニケーション、文語英語、スペイン語)コンコーディア大学ジョン・モルソンビジネススクール航空セキュリティープロフェッショナルマネージメントコース修了、同スクール先進ビジネス分析コース修了。
ICAOや国際機関で働くことを目指す人へのアドバイスをお願いします!
コミュニケーション力と体力に自信があり、豊富な現場勤務経験と向学心溢れる方には、是非、監査や技術協力支援等、ICAO地域事務所を含めたフィールド業務をお薦めします。ICAOでは、職員採用時、分担金比率や人口等を基礎として衡平な地理的配分の原則(職員をなるべく広い地理的基礎に基づいて採用することの重要性)とジェンダーバランス是正(女性の起用)に取り組んでいます。ICAOで働く女性たちのサイトもご参照ください。
誰にでも何事にも、最初の第一歩があり、完璧な第一歩を踏み出すことは大変難しいことです。リスクを恐れず、自分の力を出し惜しみすることなく、建設的なフィードバックを真摯に取り入れ内省することで、変化し続ける環境の中、少しづつでもパフォーマンスとプロジェクトの成果を向上させられると信じています。私も追従する前例がなく、随分不安な時もありましたが、不安を口に出さずに頑張ることに君の価値がある、応援しているからもっと頑張れと激励して頂きました。自らの失敗にめげることなく多くを学び、より一層逞しい姿勢で、新たな高みへの価値あるチャレンジを応援します。
※ 小谷由実(おだに・ゆみ)
航空運送局 航空セキュリティーオフィサー(アシスタンスプロジェクトマネージメント担当)
(Aviation Security Officer – Assistance Project Management, Implementation Support and Development – Security Section, Aviation Security and Facilitation, Air Transport Bureau, ICAO HQ Montreal)
京都府京都市出身。航空保安大学校航空管制情報科を卒業後、国土交通省航空局にて航空管制通信官、航空管制運航情報官を経て、航空局ハイジャック・テロ防止対策室(現航空保安対策室)勤務。2007年から約5年間のICAO派遣後、2012年にICAOに正規職員として本採用。
マギル大学語学技能証明取得(英語プロフェッショナルコミュニケーション、文語英語、スペイン語)コンコーディア大学ジョン・モルソンビジネススクール航空セキュリティープロフェッショナルマネージメントコース修了、同スクール先進ビジネス分析コース修了。